日本航空 宮崎空港「ガンジスカレー」が国際線機内食に

世界7カ国13路線 ご当地カレー採用は初
 宮崎空港(宮崎市)のレストランやカフェで長年愛され続けている「ガンジスカレー」が、今秋から日本航空の世界7カ国13路線の国際線機内食に提供されている。日航が機内食にご当地カレーを採用するのは初めて。空港関係者は「国際的に『MIYAZAKI』をPRして」と、空へ飛び出した地元自慢のカレーに期待を膨らませている。

 ガンジスカレーは、1962年の宮崎空港ターミナルビルの開設時から空港内で提供されている。大きめのひき肉とタマネギというシンプルな具材に、コクとうまみのあるルーが特徴。人気を受けて同空港ビルは73年に専門店「ガンジス」を市内に開店。当時を知る同空港ビルの長浜保広社長(69)は「カレーといえばインド、インドといえばガンジス川という発想だった」と振り返る。

 店名がカレーの名前となり、人気は定着。雑誌などで「全国の空港で最も味わい深いカレー」と紹介されたこともあり、2004年から販売している3種類のレトルト商品も年間計約3万食が売れるほど好評だ。

 機内食に採用されたのは、ガンジスカレーをベースにじっくり煮込んだ宮崎和牛が加わった逸品のレトルト。日航は地方創生事業として昨年度、機内で提供するご当地カレーを募ったが該当はなく、今年度も呼びかけたところ、書類審査を突破した16件の中から「ガンジス/宮崎和牛カレー」が初の「合格」を勝ち取った。

 提供される路線は、ニューヨークやロンドンなど3カ国へのファーストクラスや、モスクワ、シドニーなど7カ国へのビジネスクラスで計13路線。乗客が24時間無料で注文できるメニューの一つとして来年8月まで最大12万食提供される。

 現在、宮崎空港の国際線は中台韓路線のみで、欧米への直行便はない。宮崎に立ち寄る機会の少ない客層にも食べてもらえる機会を得たことに長浜社長は「大変名誉なこと」とし「せっかくなのでインドの方にも味の感想を聞いてみたい。作りたてはさらにおいしいので空港にもぜひ食べに来て」と観光PRにも熱が入る。

https://mainichi.jp/articles/20171202/k00/00e/040/294000c