世界農業遺産に認定申請中の「大崎耕土」で、東京電力福島第1原発事故で生じた国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の汚染廃棄物を試験焼却するのは不適切だと、認定機関の国連食糧農業機関(FAO)に申請を退けるよう申し入れた大崎市の市民団体に対し、市などでつくる大崎地域世界農業遺産推進協議会(会長・伊藤康志市長)は27日付の抗議文を郵送した。
 
「放射能を拡散させる『一斉焼却』をスルナ・サセルナ市民集会実行委員会」(若井勉会長)は「放射性物質が拡散される焼却処分や土壌埋め込みは、世界農業遺産の趣旨をわきまえていない」などと市の焼却方針を批判し、FAOに認定しないよう訴えている。
 
協議会は「認定と汚染廃棄物への対応をいたずらに関係づけ、関係者の期待と努力を否定し、妨害するものだ」と実行委に抗議し、申し入れの取り下げを求めた。実行委は「主張に変更はなく、取り下げる考えはない」と話す。

配信2017年11月30日木曜日
河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201711/20171130_11029.html