葉ボタンの手入れをする佐々木さん(右)と阿部さん(2日、石巻市で)
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東日本大震災の津波で児童と教職員計84人が死亡・行方不明になった石巻市立大川小学校の教諭と児童の遺族が2日、供養のため旧校舎に飾る葉ボタン約50株をプランターに植え替える作業を行った。4日に旧校舎に運び、飾る予定という。

 葉ボタンは、同校教諭だった佐々木芳樹さん(当時27歳)の両親が畑で育ててきた。震災後、孫の菜桜さん(当時10歳)を亡くした阿部文子さん(66)が、畑の隣に引っ越したのが縁で交流が始まり、震災翌年から毎年秋に旧校舎の中庭に飾るようになった。

 今年の葉ボタンは小ぶりだが、寒暖差で赤やピンクなど色鮮やかに育ったという。初めて作業に加わった阿部さんは「今年もいいできで、うれしい」と笑顔をみせた。佐々木さんの母・恵美さん(68)は「葉ボタンを見ていると、まるで芳樹と子供たちが笑っているよう。何もなくなりさみしくなった旧校舎が少しでも明るくなれば」と話した。

2017年12月03日
YOMIURI ONLINE
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