東京・足立区
「自転車に鍵」義務付け 条例1月施行
毎日新聞:2017年12月5日 07時30分
http://mainichi.jp/articles/20171205/k00/00m/040/126000c

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足立区が都内で初めて条例で義務化した自転車の鍵掛けを周知するポスター


 自転車の利用者に「鍵掛け」を義務付ける東京都足立区の改正条例が、来年1月1日から施行される。
区内の刑法犯認知件数の4割を占める自転車盗に歯止めを掛けて全体数を減らすことで「治安の悪い足立」のイメージ払拭(ふっしょく)を図る。
区によると、同様の条例は都内で初めてという。

 区によると、2016年の区内の刑法犯認知件数6519件のうち、自転車盗の割合は最多の約4割(574件)。盗まれた自転車の約6割は無施錠だった。
区内は自転車の利用者自体が多く、区はこれまでも、大型店などに無施錠の自転車があった場合、U字型の鍵を掛けて指導するなど対策を講じてきた。

 区はさらに自転車盗対策を徹底し、9月に関連条例の一部を改正。
「盗難防止のため施錠などの適切な措置を講じなければならない」と明記した。罰則規定は設けていない。

 同区は2009年まで4年連続で都内最悪の刑法犯認知件数を記録した。
そのため警察などと連携して犯罪防止に努め、13年以降はワースト3からも脱却した。
だが今年は、自転車盗こそ減少傾向にあるものの、主に侵入盗が増え、10月末現在で都内最多の5616件(前年同期比73件増)に達している。
このままでは年間最悪となる可能性が高い。

 区の担当者は「一番多い自転車盗を減らし、全体の刑法認知件数も減らしたい」。
改正条例の施行に向け、区内の主要駅や商業施設などで自転車盗難防止を呼び掛け、無施錠の自転車に警告する札を取り付けるなどして、利用者に鍵掛け義務化の周知を強化していく。