インターネット上で知り合った人と実際に会ったことがある高校生が12・3%に上ることが、小中高校生約5500人を対象にした兵庫県のネット利用調査で分かった。神奈川県座間市で9人の切断遺体が見つかった事件では、容疑者が大半の被害者とネットを通じて接触しており、兵庫県は「未成年者にとって犯罪と隣り合わせの危険な行為」と指摘している。(前川茂之)

 調査は2015年度から毎年行い、本年度は県内の小学5年生〜高校3年生5486人から回答を得た。

 スマートフォンの所有率は、高校生97・5%(前年度比2・5%増)▽中学生62・4%(同17・8%増)▽小学生23・6%(同9・7%増)−となり、低年齢層へスマホの浸透が進んでいる。

 「会ったことがない人とネット上でやりとりしたことがあるか」との質問に、高校生の51・3%が「ある」と回答。中学生では39・2%、小学生でも25・2%が「ある」とした。

 さらに「ネット上で知り合った人と実際に会ったことがある」は、高校生12・3%▽中学生6・9%▽小学生2・1%−だった。

 また、「出会い系」などの有害サイトへアクセスしたことがあるという高校生は22・2%に上った。ネット上でのけんかやトラブルの経験も、高校生は17・7%が「ある」とした。

 結果を受け、兵庫県は4日、ネットの閲覧を制限する「フィルタリング」の義務付け強化などを盛り込んだ青少年愛護条例の改正案を県議会に提出した。

【携帯見る間隔「10分以内」4割】

 高校生の1割以上が「ネットで知り合った人と実際に会った」と答えた兵庫県によるインターネット利用調査。小中高校生の「ネット依存」傾向は年々増加しており、2017年度は8・0%(16年度比0・3%増)。スマートフォンが普及している高校生では過去最多の10・6%となった。また高校生の約40%が、10分以内の間隔で携帯電話を見ている実態も明らかになった。

 ネット依存は、利用時間を短くしようとするとイライラするなどの傾向がある。1日4時間以上利用している割合は、依存傾向にある小学生で47・4%、中学生で35・4%、高校生で30・9%に上った。

 さらに無料通信アプリ「LINE(ライン)」などの返信状況についても質問。「既読」が付いてから1分以内に返事するという回答が、依存傾向の子どもたちで32・2%、依存していない子でも20・9%いた。いじめのきっかけになることもある「既読スルー」を恐れ、子どもたちが携帯電話を常に手放せないでいる状況がうかがえる。

 県青少年課は「利用時間など、大人が一緒になってルールを決めておくことが必要だ」としている。

 県が4日に提出したフィルタリング規制強化の条例改正案は、フィルタリングの利用を希望しない保護者に事業者へ「申出書」を提出させ、提出した保護者に対しては知事が調査を実施できる、とした。事業者には、契約時に家庭での「ルールづくりの必要性」を説明するよう義務付け、違反事業者は勧告や公表の対象となる。

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 調査結果は、16日に神戸市中央区の県公館で開かれる「スマホサミットinひょうご2017」(神戸新聞社後援)で発表される。県と県青少年本部の主催で、ネット利用のルールづくりについての公開討論会などがある。無料。午後1時から。定員400人。事前申し込みが必要。同本部※電話番号はソース先確認

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配信2017/12/5 06:40
神戸新聞NEXT
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