絶え間ない改築の続く横浜駅がついに自己増殖の能力を獲得し、膨張を開始して数百年後の日本。
本州の99%は横浜駅で覆われ、SUICA を所有する人間が住み自動改札による徹底した監視下にあるエキナカの社会と、
それ以外の僅かな土地に追いやられた人間の社会に分けられていた。青函トンネルでは、
増殖を続ける横浜駅とJR北海道との終わりの見えない防衛戦が続いていた。
非 SUICA 住民達の住む岬で暮らしていた三島ヒロトは、古代地層から発掘された「18きっぷ」を手に、五日間限定での横浜駅への侵入を果たすが…