毎日新聞 2017年12月6日 20時19分(最終更新 12月6日 20時19分)
https://mainichi.jp/articles/20171207/k00/00m/040/073000c

社内文書に問題は33社

 日本生命保険の約款に家族の病歴や遺伝子検査結果などの遺伝情報を加入審査に使っていると取られかねない記載があった問題で、金融庁は6日、国内の全ての生命保険、損害保険会社計93社を調べたところ、日生を含む4社の約款に同様の文言が見つかったと明らかにした。この4社を含む33社では、保険の運用方針を示した社内文書にも問題のある表現が見つかった。

 33社はいずれも遺伝情報の利用を否定した上で、削除する方針を示しているという。金融庁は「遺伝関連の文言があったことを重く受け止める。使っていない項目なので、できるだけ早く削除するよう求める」としている。

 金融庁によると、日生の約款の問題が発覚したのを受け、国内の生命保険会社と損害保険会社が扱う医療保険の約款などについて緊急に調査した。問題が見つかった33社はいずれも、約40年前まで保険の加入審査の際に家族の病歴を判断材料の一つとして使っていたが、利用をやめた後も記述が削除されずに残っていたと説明している。

 遺伝情報を基に保険加入に差をつけることは、海外では遺伝差別として規制している国もあるが、国内に明確なルールはない。金融庁の担当者は、この日開かれた遺伝子検査ビジネスやゲノム(全遺伝情報)を使った医療に関する超党派の国会議員の会合で調査結果を明らかにした。(共同)