大手IT企業の創業者などが設立したアメリカの財団が優れた科学者に贈る「ブレイクスルー賞」に、細胞の中のごく小さな器官が果たす仕組みを解明した京都大学の森和俊教授が選ばれ、7日、受賞の喜びを語りました。
「ブレイクスルー賞」は、アメリカのグーグルやフェイスブックなど大手IT企業の創業者などが設立した財団が毎年、優れた科学者に贈る賞で、ことしの「生命科学部門」で京都大学の森和俊教授が受賞しました。

アメリカでの授賞式から帰国した森教授は7日、京都大学で記者会見し、「30歳でアメリカに渡り、新たな研究分野に挑戦してゼロから作り上げてきたことが評価されたと思います」と喜びを語りました。

森教授は、体の中でたんぱく質がつくられる際、誤ってできた不良品を細胞の中にある「小胞体」と呼ばれる、ごく小さな器官が見つけ、分解する仕組みを解明しました。

これまでに、ノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授や、東京工業大学の大隅良典栄誉教授もこの賞を受賞していて、ノーベル賞の可能性について聞かれた森教授は「賞は与えられるもので自分から取りに行くものではないので、わかりません」と、笑顔で答えていました。

森教授には、賞金300万ドル(日本円でおよそ3億4000万円)が贈られ、一部は研究資金に充てられるということです。

NHK 2017/12月7日 21時25分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171207/k10011250401000.html