反ワクチン活動って、社会にとってのウイルスみたいなもので。
イギリスの元医師、ウェイクフィールドが、MMRワクチンが自閉症の原因になるという論文を発表して、反ワクチン活動の理論的支柱になった。
だがその後研究不正で論文は撤回され、疫学的調査でも、MMRワクチンが自閉症の原因になるという説は否定された。
つまり、デマの烙印を押されたわけだ。

ところが、このワクチンが自閉症の原因になるというデマは、科学的には否定されているものの、今でも社会の中で燻っている。それは時折非常に大きな影響を与えてしまう。

2017年のアメリカで、反ワクチン活動がミネソタ州のソマリ人コミュニティに、デマの烙印を押された筈のデマが広がり、ワクチン接種率が急激に落ちた結果、
ソマリ人コミュニティに麻疹が大流行してしまった。
http://edition.cnn.com/2017/05/08/health/measles-minnesota-somali-anti-vaccine-bn/index.html

HPVワクチンに対する反ワクチン活動も同じ。デンマークやアイルランドで起こり、そして日本では最も強烈な現象としておきてしまった。
反ワクチン活動が広めるデマは、社会において病気を広める土台を作り出すウイルスのようなものだ。
その日本社会の中で、正しい医学的知見を広める活動を行ってきた村中氏に、ジョンマドックス賞が与えられた。