日本では子宮頸がんで毎年、3000の命と1万の子宮が失われている。

ひとりの産婦人科医が私にこう尋ねた。

――僕たちはあとどのくらい子宮を掘り続ければいいんですか。
子宮を「掘る」、すなわち子宮を摘出するという意味だ。

日本では国家賠償請求訴訟が終わるまでには10年を要すると言われる。
また、訴訟が終わるまで、接種再開を決断できる首相や官僚は出ないだろうとも言われる。
よって、もし子宮頸がんワクチン接種再開まであと10年を待つ必要があるとすれば、
日本の産婦人科医は、いったいいくつの子宮を掘りだせばいいのだろうか。

答えは「10万個」だ。
摘出された10万個の子宮を想像してほしい。その持ち主である女性たち、そこから生まれ母を失った子どもたちを。
そこから生まれてくるはずだった子どもたちを。