ただ、NHKはスクランブル放送を導入しない理由について、公式サイトの「よくある質問集」の中で次のよう
に説明している。

まずNHKは「公共放送」であり、「特定の利益や視聴率に左右されず、社会生活の基本となる確かな情報
や、豊かな文化を育む多様な番組を、いつでも、どこでも、誰にでも分けへだてなく提供する役割」を担って
いるとする。災害時には迅速に正確な情報を提供するほか、教育、福祉、古典芸能といった「視聴率だけで
は計ることの出来ない番組」も数多く放送している。

このような性格から、受信料を払わない人が視聴不可能となるスクランブル化は「一見合理的に見えるが、
NHKが担っている役割と矛盾するため、公共放送としては問題があると考えます」と説明。また、仮にスクラ
ンブル化すると、「どうしても『よく見られる』番組に偏り、内容が画一化していく懸念があり、結果として、視
聴者にとって、番組視聴の選択肢が狭まって、放送法(編注:1条)がうたう『健全な民主主義の発達』の上
でも問題があると考えます」とも主張している。