https://www.cnn.co.jp/m/fringe/35111614.html

2017.12.07 Thu posted at 19:27 JST
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)の深宇宙通信情報網事業で装置動作を検証する技術者などとして働くスーザン・フィンレィさん(81)のNASAでの勤務年数がこのほど60年に達し、女性職員としての最長記録を樹立した。

NASAが2008年に行ったインタビューでは「本当に退屈にならない限り引退しないわ」と宣言していた。

フィンレィさんがNASAのジェット推進研究所(JPL)で「人間コンピューター」として働き始めたのは1958年。米国が初の人工衛星を打ち上げた日の3日前、ケネディ元大統領が宇宙開発競争を宣言した年の4年前、米宇宙飛行士による最初の月面歩行からは10年以上前の時期だった。

当初は技術者のため複雑な方程式などを解くのが役目だった。他の女性数学者と共に、ロケットの軌道を手書きで計算もしたという。

コンピューター時代の到来でこの作業も不必要となった。技術の進歩を受け、フィンレィさんのJPLでの職務も数多く変わった。1980年代には深宇宙通信情報網事業のソフトウエアを担当。その後は火星探査車開発事業のソフトウエア作成を支援した。

長い勤務歴の中で最も興奮したのは、1985年のベガ計画でデータ収集のため気球2個が金星の大気へ放出された際だったと振り返っている。気球が金星へ近付くのを追跡しており、「管制室の中でスクリーンを注視し、気球の位置信号を待っていた」とし、その瞬間が来た時、跳び上がって喜んだと思い起こした。

NASAに入局して60年。様々な職務に携わってきたスーザン・フィンレィさん
https://www.cnn.co.jp/storage/2017/12/07/09f19875124722a945e750c0a3a79970/t/320/180/d/susan-finley-nasa-60th-year.jpg