政府・与党は12日、平成30年度税制改正で、資本金1億円超の大企業に32年度から法人税や消費税などの電子申告を義務付けることを決めた。インターネット経由で行う電子化により企業の納税手続きと税務当局の手間を省き、コスト削減につなげるのが狙い。

 法人税などの電子申告義務化に伴い、申告要件も緩和する。申告に必要な代表者か経理責任者の署名を委任を受けた社員や役員の署名でも認め、添付書類については光ディスクなどで提出できるようにする。災害などでネットが利用できない場合は、例外として書面申告も認める。

 また、市町村の森林整備の財源を賄うため1人当たり年1000円を徴収する「森林環境税」を36年度から導入することも決定。ただし、放置された人工林を公的に管理する「森林バンク」制度が創設される31年度に合わせ、財源を前倒しして地方に配分する。

 31年度からの3年間は200億円、34年度からの2年間は300億円を自治体の人工林面積や林業就業者数などに応じて配分。配分財源は借金で賄い、新税導入後の税収で返済する。

 一方、自民、公明両党は12日、与党税制協議会を開き、焦点の所得税改革について、増税となる会社員と公務員の対象を年収850万円超とする案を最終決定した。

 夫と別れて子育てする世帯の所得税負担を軽くする「寡婦控除」については、公明党が未婚の母も対象に加えるよう訴えたのに対し、自民党は対象拡大に慎重で継続協議とした。

配信2017.12.12 23:04
SankeiBiz
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