東京都世田谷区の東急電鉄田園都市線で11月に起きた送電トラブルについて、同社は15日、
約8年前の施工時に付いた傷が原因となり漏電に至ったとの見解を明らかにした。
過去の点検で傷を発見できず、同社は点検態勢を強化する方針。

 トラブルは11月15日朝、池尻大橋−駒沢大学間で発生し、約4時間半にわたる運転見合わせで約12万6千人に影響した。

 同社によると、ショートしたのは送電線の接続部分で、表面カバーに傷が入っていたことが判明。
約8年前に現在の送電線に交換した際、施工ミスで表面に傷が付き、金属製の棚でこすれて摩耗、
絶縁が維持できなくなったとみられる。

 同社は2カ月に1回の目視点検でも5年に1回の精密点検でも発見できなかった。
対策として接続部分を絶縁カバーで覆うなどした上で、手で触って確かめる点検を追加するという。

 同社は地下区間で緊急点検を行い、送電線の計281カ所で傷を見つけた。いずれも補修済みという。

 また、三軒茶屋駅で10月19日朝に発生した停電については、ねずみの侵入を防ぐための
プラスチック板が送電線を圧迫し損傷したことが原因と明らかにした。

 田園都市線の地下区間では近年、設備不良などのトラブルが相次いでいる。
同社担当者は「過去にトラブルがなかったので目視点検で十分と考えていた。
地下は暗く狭いため点検しにくいことを踏まえ、今回、厳しめの基準を導入した」と話した。


12/15(金) 19:16配信 産経新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171215-00000572-san-soci
ショートした当時の送電線。外側の防水チューブが大きく破れている(東急電鉄提供)(写真:産経新聞)
https://amd.c.yimg.jp/amd/20171215-00000572-san-000-1-view.jpg