https://jp.reuters.com/article/yamato-transport-nagao-idJPKBN1E90SU

[東京 15日 ロイター] - ヤマト運輸(東京都中央区)の長尾裕社長は15日、ロイターのインタビューに応じ、人手不足感は12月に入ってもう一段厳しくなっている印象だと述べた。働き方改革を進めて採用競争力を高めると同時に、来年早期に神奈川県の新しい物流センターで省人化の実証実験を開始する予定を明らかにした。

長尾社長は、人手不足について「特に都市部で確保し難い状況が継続している。12月はもう一段厳しくなっている印象を受ける。特定の職種で集まり難くなっている」と述べた。集まり難い職種として、深夜の時間帯に行う、ターミナルでの仕分け作業を挙げた。

同社は働き方改革を進めており、「労働時間も含めて他産業のレベルに近付けていかなければ、将来的に社員の確保が容易ではなくなる。他産業と遜色のない労働環境をどう作っていくかは、将来の成長戦略を描いていくうえでも必須になっていく」と述べた。

また「省人化努力は大前提だが、働き手の賃金の上昇や労働時間も含めた労働環境をどう改善していくか。スピード上げて取り組まないと、この業界に人が来なくなってしまう。国としての危機になる、という大きな懸念を持っている」とした。

17年11月には新物流拠点「関西ゲートウェイ」の本格稼働を開始した。長尾社長は「関西ゲートウェイを含め各拠点は、人を配置することが大前提になっている。そのうえで、処理能力の高いマテハン(マテリアルハンドリング)が入っている」と説明。現在、どの部分で省人化できるか検討しているという。

長尾社長は、神奈川県で小規模な新しい物流ターミナルを設け、来年早々に省人化の実証実験を開始することを明らかにした。「従来のオペレーションの考え方を覆すもの。非常に面白いチャレンジ」と述べ、実験結果次第で、横展開を考えていくことになる。
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