犬のプライド

ある街のドブ川にかかる橋の下に
不潔な中国人の乞食がいた
乞食は一匹の汚い犬を飼っていた
犬の名はチョンだった
犬はやせて全身皮膚病だった
見るからに汚らしい乞食と犬だった

中国人の乞食は犬にエサをやらず
いつも棒で叩いていじめていた
それでも犬は中国人の乞食になついていた
卑屈な目でご主人様を見上げながら
必死になって尻尾を振っていた

犬は周囲にいる金持ちの人間より
自分の方が偉いと信じていた
ご主人様が一番偉くて自分は二番目
周囲の人間は三番目以下と信じていた
それだけが犬のプライドだった