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2017/12/19(火) 12:44:53.09ID:CAP_USER9http://www.sankei.com/images/news/171219/wst1712190004-p1.jpg
平成28年4月から国内で全国販売され、急速にシェアを拡大している「iQOS(アイコス)」などの加熱式たばこ。煙が出ず、有害な化学物質の発生量が少ない-といった特徴が人気の理由だが、その有害性をめぐり、専門家からは「発がん性物質が含まれている」「ニコチン依存から脱却できない」などの指摘もある。加熱式たばこは“安全”なのか。(加納裕子)
禁煙エリアでも吸える!?
「えっ、吸えんねや」。大阪市北区の複合レストラン「ゼックスウエスト」で、禁煙エリアのテーブルに着いた男性が、驚きの声を上げた。テーブルには、「アイコス・オンリー(アイコスのみ可)」の小さな札。同店はもともと分煙としていたが、平成28年春から、喫煙エリア以外でもアイコスを吸えるようにしている。
ゼネラルマネジャーの猪口尊明さん(41)によると、同店はイタリアンや和食、バーの3店が融合したスタイルで、バーではもともと全席喫煙可。イタリアンと和食は喫煙エリアと禁煙エリアを分けているが、壁のような仕切りはない。自身もアイコス使用者の猪口さんはアイコスの特徴について「圧倒的に臭いがつかない」と話す。
紙巻きたばこは禁止であっても「アイコスなら可」とするレストランやホテル、貸し会議室などが増えており、アイコスを販売するフィリップモリスジャパンによると、近畿2府4県では今年9月時点で約5000事業所に。同社大阪オフィスのある大阪市北区のビルの1階にも、アイコス専用のスペースがある。
一方で、一度は完全禁煙からアイコスのみ可としたものの、独特のにおいがあることや、客とのトラブルなどから再び完全禁煙に戻した飲食店も。現場では、試行錯誤が続いている。
急増する加熱式たばこ利用者
加熱式たばこが国内で普及しだしたのは、ごく最近のことだ。アイコスは26年11月に名古屋でテスト販売が始まり、28年4月に全国での販売が開始。他社では、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコが「glo(グロー)」を今年10月から全国販売しているほか、日本たばこ産業(JT)の「Ploom TECH(プルーム・テック)」が東京都と福岡市で売られている。
利用者は、急速に増えている。フィリップモリスジャパンは、利用者へのアンケートなどから、今年9月時点で約300万人が紙巻きたばこからアイコスに移行したと推計。ブリティッシュ・アメリカン・タバコによると、グローの販売台数はすでに100万台を超えた。JTは、29年末時点での3社の加熱式たばこの販売数のシェアは、たばこ全体の18%になると予測し、32年には30%を超える可能性もあるとみている。
人気の背景にあるのが、周囲への迷惑にもならず、健康リスクも少ない-といったイメージだ。加熱式たばこは、そもそも「ハーム・リダクション(害の低減)」という視点で開発された製品であり、フィリップモリスジャパンなどは、紙巻きたばこの主流煙、副流煙に含まれる有害物質に比べ、加熱式たばこから吸い込まれる有害物質が平均約90%少ないとの分析結果を公表している。
ただ、フィリップモリスジャパンは「リスクがないというわけではない」とも明言し、アイコス用のたばこのパッケージにも、健康を損なう危険性への警告が記されている。ブリティッシュ・アメリカン・タバコの広報担当者は「紙巻きたばこと比べて健康を損なうリスクが減ったのかどうかは、実際に吸った人と吸っていない人の集団を10年や20年追跡して調査しないと、確かなことは言えない」と話す。
無害とは言い切れない
「加熱式たばこを吸うことは喫煙ではない、という誤った認識が広がっている」「紙巻きたばこと比べて低い値ではあっても、同じ有害物質が含まれている」
11月初旬に京都市内で開かれた日本禁煙学会学術総会では、加熱式たばこに警鐘を鳴らす医師らの発表が相次いだ。
産業医科大学の姜英助教は、九州の自動車製造会社で、全社員を対象にした28年12月のアンケート結果を発表。男性の17%、女性の10・6%は「加熱式たばこを禁煙の場所で使用してもよいと思う」と回答し、ほぼ同数の男女が「加熱式たばこの使用を『喫煙』とは思わない」という認識を示した。
また、加熱式たばこを使用する理由としては「においが少ない」「周囲の人に害を与えない」「紙巻きたばこよりも害が少ない」-などが多数だったという。
(略)
産経新聞:http://www.sankei.com/west/print/171219/wst1712190004-c.html