https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171219/k10011264571000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001

12月19日 19時23分
安倍総理大臣は、総理大臣官邸で、就任後初めて日本を訪れている韓国のカン・ギョンファ(康京和)外相の表敬訪問を受け、核やミサイル開発を続ける北朝鮮への対応について、国際社会と連携しながら圧力を強化していくことで一致しました。

この中で、安倍総理大臣は、「韓国は日本にとって戦略的利益を共有する最も重要な隣国だ。さまざまな課題もあるが、未来志向でともに切り開いていきたい」と述べました。

そのうえで、安倍総理大臣は、核やミサイル開発を続ける北朝鮮への対応について、「北朝鮮に政策を変えさせるために国際社会と連携しながら圧力を高めていかなければならない。日韓・日米韓で協力していきたい。地域の平和と安定のためにも、日韓がしっかりと連携していくことが求められている」と述べました。

これに対し、カン・ギョンファ外相は、「北朝鮮の核の問題には、韓日の緊密な協力が重要だ。国連安全保障理事会を中心とする国際社会の北朝鮮に対する制裁によって、国際社会が団結し力をあわせることができる」と応じ、国際社会と連携しながら北朝鮮に対する圧力を強化していくことで一致しました。

また、安倍総理大臣が、慰安婦問題をめぐる日韓合意について、着実に実施することが重要だという考えを示したのに対し、カン外相は、日本政府との交渉過程を検証している韓国外務省の作業部会での議論の現状を説明したうえで、「未来志向の日韓関係を築いていくために努力したい」と応じました。
韓国外相 安倍首相に五輪出席要請
韓国のカン・ギョンファ外相は、安倍総理大臣への表敬訪問を終えたあと、記者団の取材に応じました。

記者から「慰安婦問題について話をしたのか」と問われると、カン外相は、安倍総理大臣に先立って会談した河野外務大臣からすでに報告があったはずだとしたうえで、「安倍総理大臣からはこれまでの日本政府の基本的な立場について話があった」と述べるにとどまりました。

また、来年2月に韓国で開幕するピョンチャンオリンピックについては、「オリンピックに出席していただきたいというメッセージを伝えたところ、『国内での日程の都合もあるが、オリンピックの成功のために最大限、協議していく』とおっしゃっていた」と述べ、オリンピックにあわせて安倍総理大臣が韓国を訪問することに期待を示しました。

一方、韓国政府は日本で開催予定の日中韓3か国の首脳会議が中国の都合で遅くなる場合、ムン・ジェイン(文在寅)大統領が単独で訪日して安倍総理大臣と首脳会談を行うことを検討していますが、これについてカン外相は「具体的な日程の話は出なかった」と説明しました。