http://www.bbc.com/japanese/42422464

英国中部のサウスヨークシャー、ダービーシャー両州で19日早朝、クリスマスを狙ったみられるテロ攻撃を計画していたとして、4人の男が逮捕された。テロ対策当局筋が明らかにした。

ダービーシャー州チェスターフィールドでは、31歳の男性容疑者が逮捕された通りを英陸軍の爆発物処理班が封鎖。近隣の住民は避難させられた。

このほか22歳、36歳、41歳の3人の男がサウスヨークシャー州シェフィールドのバーングリーブ地区とミアーズブルック地区周辺で逮捕された。

4人の容疑者全員が2000年に成立した反テロ法第41条のテロ行為の委託、準備、扇動に関与した疑いで拘束された。
4人はウェストヨークシャー州の警察署に連行され取り調べを受けている。その後チェスターフィールドの封鎖は解かれた。
バーングリーブ地区にあるブランズウィック通り沿いのファティマ公民館の敷地を封鎖する非常線は19日午後に拡大され、爆発物処理班が出動した。

2階建ての公民館の周囲には多数の警察車両と警察官が集まった。正面玄関のドアは地面に倒されたもよう。
警察は19日午後9時半、現場の捜索をいったん終わらせるが、バーングリーブとチェスターフィールドでの捜査は翌朝再開すると発表した。

シェフィールドのシャイアーブルック通りの現場から2軒目に住むキャロル・ペリーさんは、午前5時半に家宅捜索が行われていた際、「ものすごく大きなバンという音がした」と語った。
ペリーさんは、「寝ていたところを突然起こされて(中略)そうしたら家全体が揺れた」と話した。「最初は地震だと思った」。

北東部テロ対策警察の報道官は、「警察が建物の一つに突入したとき、市民のみなさんは大きなバンという音を聞いたかもしれないが、爆発ではない」と説明した。
「建物に突入する際に出た音なので、安心してほしい」
容疑者の荒れ果てた自宅の向かいに住む、年金生活者のジョアン・ミラーさん(63)は、窓の外をのぞくと、多くの武装した私服警官が路上にいたと話した。
ミラーさんは、「かなり大きなバンという音がした。家が揺れた」と語った。
「カーテンを引くと、武器を持った男の人が通りにたくさんいるのが見えた。かなり異様な光景だったので、そのまま見ていた」
(中略)

19日の家宅捜索の場所
・シェフィールドのミアーズブルック地区シャイアーブルック通り
・シェフィールドのバーングリーブ地区で2箇所(ブランズウィック通りのファティマ公民館を含む)
・チェスターフィールドのキング通り北の住宅
・ストックブリッジの某所

4人の容疑者が逮捕された場所
・チェスターフィールドで1人
・シェフィールドのバーングリーブで2人
・シェフィールドのミアーズブルックで1人

<解説>ドミニク・カシアーニ内務担当編集委員

英国には2種類のテロ関連の家宅捜索がある。その多くは非常に目立たない形で行われる。刑事が容疑者の自宅のドアをノックして、通常の警察の力で容疑者を拘束するというものだ。
もう一つは、大がかりな家宅捜索。ドアあるいは窓をこじ開け、付近の立ち入りが禁止され、爆弾解除班が現場に呼ばれるというものだ。
そのような家宅捜索が行われるのは、おそらく傍受した通信でしばしば断片的なやり取りから得た機密情報から、建物内に全容を把握すべきものがあると示されたときだけだ。
その情報のどれも、逮捕された容疑者らが罪を犯した証拠にはならない。しかし、警察は今や14日間のうちに、裁判所の監督のもと、立件すればよい。
警察の優先事項の一つに、電話記録の科学的調査がある。最近の大規模なテロ捜査は全て、警官たちが捜査で発見したものだけではなく、ネット上の足跡から探し出した情報も活用している。

(英語記事 Sheffield arrests over 'alleged UK Christmas terror plot')

2017/12/20