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1994.05.21
「議長国のメキシコ、鯨の聖域案を支持」(共同通信)
メキシコのサリナス大統領は十九日、同国のプエルトバジャルタで来週から全体会議が始まる国際捕鯨委員会(IWC)の年次総会を前に、
総会での最大の争点である南極海を鯨の聖域とする案を支持する考えだと正式に表明した。
「鯨サンクチュアリ(聖域)」案は、昨年の総会(京都)で継続審議となっているが、南緯四○度以南を禁漁区とする同案に議長国が賛成の立場を示したことで、
態度を決めかねている中南米の国などに影響を与えるのは必至。
昨年は反対したチリや棄権したデンマークも今年は賛成に回るとみられることから、商業捕鯨再開の道を閉ざすとして、強く反対している日本、ノルウェー両国に対する「包囲網」がさらに絞り込まれた形だ。
サリナス大統領は、二十三日から開幕する全体会議を前に、メキシコ市の大統領官邸で会議関係者と会談。「南極海での鯨の聖域創設を支持する」と明言した。
同案について、「今年は全体会議で採決にかけられそう。日本がどのような妥協案を出せるかが焦点」(日本政府参加者)との見方が強い。