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1994.05.24
「日本、IWC脱退も示唆」(共同通信)
国際捕鯨委員会(IWC)総会が二十三日(日本時間二十四日)、メキシコの保養地プエルトバジャルタで開幕する。
今総会の最大の争点は、南緯四○度以南を全種類の鯨の禁漁区とする南極海サンクチュアリ(聖域)案。フランス、米国など十カ国が提案している。
昨年の総会では、採択に必要とされる投票国の四分の三以上の賛成が得られず継続審議となっていたが、
今年は同案の賛成国オーストリアが新たにIWCに加盟した上、昨年反対したチリが賛成に回るとみられることなどから、可決される可能性が強まっている。
聖域が設定されると、日本が再開を目指している南極海での商業捕鯨は半永久的にできなくなる。
このため日本はノルウェー、カリブ海四カ国と共同で@聖域を南緯六○度以南にするA頭数が多いミンククジラは聖域案から除外するB聖域の扱いを十年後に見直す―などとする修正案を提案した。
修正案は、フランスなどの提案した聖域案の前に総会で採決されるが、反捕鯨国の反発は避けられず、可決の見通しは立っていない。
日本はこのほか、日本沿岸の小型捕鯨でミンククジラ五十頭の捕獲を認めるよう要求する。
日本政府代表の島一雄水産庁次長は二十二日、プエルトバジャルタで記者会見し「聖域案が可決されたらIWCを脱退することも可能性としてはあり得る。海洋資源の持続的な利用という観点からも、鯨を一頭も捕るなというような一方的な意見は認められない」と話した。