北の“生命線”原油禁輸にまた一歩前進 安保理決議、中国には厳しい内容
産經新聞:2017.12.23 22:53更新
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北朝鮮に対する制裁決議を採択した国連安保理の会合で、制裁に賛成の挙手をする米国のヘイリー国連大使(手前右)=22日(AP)


 【ニューヨーク=上塚真由】国連安全保障理事会で22日に採択された北朝鮮制裁決議では、米国が中国に強く求めていた原油の供給停止には踏み込まなかったものの、
北朝鮮が新たな核実験やICBM級のミサイル発射を強行した場合に、安保理が原油を含む石油の輸出制限に踏み切ることを明示。
北朝鮮の生命線である原油の禁輸措置にまた一歩近づいた形となった。

 中国の呉海濤国連次席大使は、
「決議は、政治的、外交的手段を通じて平和的に解決されるべきだとも強調している」と“成果”を指摘。
一方で制裁の具体的な評価は避けたが、最大の貿易相手国の中国にとっては厳しい決議となった。

 従来の決議では、新たな挑発行為に対し「さらなる重大な措置を取ることを表明する」としていたが、「石油の輸出制限を決定する」と初めて言及。
今回の決議で石油精製品の供給が大幅に制限されたため、北朝鮮が挑発行為をやめなければ、中国は今度こそ原油に手を付けざるを得ない状況となる。

 一方、ロシアは、北朝鮮の出稼ぎ労働者の送還期限の修正を米国に要求。
北朝鮮北東部の経済特区、羅先を通じたロシア産石炭の輸出は禁止されないという例外措置も継続させ、決議に合意した。

 サフロンコフ国連次席大使は、米国主導の交渉が拙速過ぎたと批判し、「決議は、われわれの懸案が反映されたからこそ、採択が可能になった」と強調した。