https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171226/k10011271501000.html

フジモリ元大統領に恩赦が与えられてから一夜が明けたペルーでは、恩赦に抗議して、
首都リマでデモが行われたり、与党議員2人の離党の意向が伝えられたりするなど、
波紋が広がっています。

ペルーのクチンスキー大統領は24日夜、緊急の閣議を開き、首都リマ郊外の
警察の施設に10年にわたって収監されてきたアルベルト・フジモリ元大統領に対し
「進行性の病気を患っている」などとして恩赦を与えることを決めました。

フジモリ氏をめぐっては、1996年に起きた日本大使公邸人質事件の解決などに
手腕を発揮した一方、在任中に治安部隊を指揮して市民を殺害した罪などで有罪判決を
受けるなど、強権的な政治手法に批判も根強くあり、恩赦の発表から一夜が明けた25日、
ペルーでは波紋が広がりました。

首都リマの広場には恩赦に反対する人たちが続々と集まり「フジモリは、もうこりごりだ」
などと書かれた横断幕を掲げながら、大勢の市民らを殺害した罪を償うべきだと声を上げていました。

また地元メディアは恩赦に抗議してクチンスキー大統領の政党の議員2人が離党する意向だと伝えました。

一院制のペルー議会ではフジモリ氏の長女のケイコ氏が党首を務める野党政党が
過半数の議席を握っていて、与党議員が離党すれば、クチンスキー大統領の求心力の
低下がさらに進むことになります。