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■安全性で選ぶならこの3車種

【ホンダN‐BOX】
 安全装備が最も充実した車種はホンダN-BOXだ。小型/普通車に多く採用されるホンダセンシングを幅広いグレードに装着した。ホンダセンシングが注目されるのは、ミリ波レーダーと単眼カメラのセンサーを使い、歩行者と車両を検知することだ。衝突の危険が生じると警報が作動して、状況が一層悪化すると緊急自動ブレーキが働く。

 しかも路側帯を歩く歩行者と衝突しそうになった時は、ハンドルに操舵力を加えて衝突の回避をうながす歩行者事故低減ステアリングも採用した。これはシビックなどには装着されていない機能だ。サイド&カーテンエアバッグも大半のグレードに標準装着され(一部はオプション)、安心感を高めている。

 このほか運転支援の機能としては、まずミリ波レーダーを使ったクルーズコントロールがある。高速道路などでは、車間距離を自動制御しながら追従走行が行える。車線の中央を走れるように、電動パワーステアリングの操舵支援機能も設けた。これらの運転支援が可能な軽自動車は、今のところN-BOXだけだ。作動中はドライバーの疲労が抑えられるから、運転支援の機能も安全性を高める。なおホンダセンシングの価格は7万200円(レスオプション価格)だから、割安な設定になっている。

【スズキワゴンR】
 全高が1700mm以下の軽自動車で安全装備を充実させたいなら、スズキワゴンRを選びたい。緊急自動ブレーキを作動できる安全装備は、赤外線レーザーとミリ波レーダーを併用する。センサーの精度を高め、緊急自動ブレーキは、車両に対しては時速100kmを上限に作動する。歩行者に対しては時速60kmだ。

 車線逸脱警報、ペダルの踏み間違いに基づく誤発進抑制機能なども備わるから、安心感を一層高めた。ただしサイド&カーテンエアバッグには注意したい。ターボを装着したスティングレーTには標準装着されるが、ほかのグレードではオプションでも装着できないからだ。エアバッグの充実は今後の課題となる。

 ワゴンRでは車両本体の走行安定性も優れた部類に入る。全高が1650mmに達する背の高いボディだが、車両重量は前輪駆動の2WDなら大半のグレードが800kg以下に抑えた。そのために危険を回避する時でも挙動を乱しにくい。総合的に安全性を高めており、このバランスの良いクルマ造りは、安全面に限らずスズキ車の特徴となっている。


 ミライースは全高を1500mmに抑えた軽自動車で、立体駐車場も使いやすい。「低燃費と低価格」をテーマに開発されたので、燃料の消費量を抑える目的で軽量化を徹底的に行った。車両重量は大半のグレードで700kg以下となる。そのためにのJC08モード燃費は、前輪駆動の2WD車で見ると34.2〜35.2km/Lと優れている。

 このほか実用燃費の向上ねらった軽量化は、危険回避性能も高めている。全高が1500mmだから重心も下がって危険を回避しやすい。エンジンは自然吸気のノーマルタイプのみだが、ボディが軽いために動力性能には比較的余裕がある。従って峠道などの追い越しも素早く安全に行える。

 安全装備ではスマートアシストIIIが用意され、2個のカメラがドライバーと同様に前方をチェックして、歩行者や車両と衝突する危険が生じると警報を発する。ドライバーが回避操作をしない時には緊急自動ブレーキも作動する。走行安定性と装備の両面から安全性を高めた。しかも価格は売れ筋の安全装備を充実させたX・SA IIIが108万円と安い。

おわり