厚生労働省は、患者がアスベスト(石綿)を吸う恐れのある病院に対して施設の使用制限などを命令するよう都道府県に要請した。2018年末までにアスベストの除去や封じ込めの実施時期を明確にしない場合も同様の命令を出すよう求めている。【新井哉】

 厚労省によると、吹き付けアスベストを使用している病院(1315施設)のうち15施設、アスベストを含んだ保温材などを使用している病院(1290施設)のうち113施設で患者や職員などがアスベストを吸引する恐れがあった。

 アスベストを吸引した場合、がんの一種の中皮腫を発症する恐れがあるため、厚労省は都道府県が指導を徹底する必要があると判断。患者がアスベストを吸う恐れのある病院については、都道府県が「直ちに施設の使用制限、修繕等の命令を行う」とした。

 資金不足で患者が利用する病室や廊下の飛散防止の措置が手付かずの病院もあった。調査中や未回答の病院についても、調査を実施する時期を報告させ、確実に調査が行われるよう指導を徹底させたい考えだ。

配信2017年12月27日 20:40
CBニュース
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