2017年12月28日 15時23分

 オウム真理教の主流派団体「Aleph(アレフ)」から分派した金沢市などに拠点を置く団体に対し、公安調査庁が25日、団体規制法に基づく立ち入り検査を実施した結果、金沢市の施設からは、祭壇と松本智津夫死刑囚(62)の写真や説法を収録したDVDや本などの多数の教材が確認された。

 この日は午前10時頃から、同庁の職員13人が金沢市昌永町の施設前に集まった。拡声機などで施設に向かって呼びかけた後、10人が建物内に入って内部の状況を確認した。

 同庁によると、この団体は2015年1月頃、アレフ内の意見対立をきっかけに元幹部の女性が分派として活動を開始。信者は約30人で、東京都武蔵野市にも拠点がある。この女性の名前から同庁は「山田らの集団」と呼んでいる。

 同庁は11月20日、来年1月末に期限を迎えるオウム真理教に対する団体規制法の観察処分の更新を公安審査委員会に申請。この際、アレフや分派の「ひかりの輪」とともに「山田らの集団」を対象に加えた。同庁は15年4月と昨年11月にもこの施設の立ち入り検査を行っている。

 地元住民らによる「金沢オウム真理教対策協議会」の東良勝会長(78)は「しっかり内部の実態を確認してもらいたい。立ち入り検査を継続することが、住民の安心につながるはず」と話した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20171225-OYT1T50140.html