知的障害者の定義と類型 平成11年度から制度的用語になった。

従来は精神薄弱または精神遅滞という言い方がなされていた。
前者は医学的,後者は心理社会的定義であった。すなわち精神薄弱は,
脳の器質的傷害または病理的な原因をもつ恒久的な精神発達の遅滞を
意味していたが,精神遅滞は子どもの現在の状態像に重点が置かれ,
発達を考慮に入れたより包括的な概念であるとされていた。

行動傾向による分類
幼弱型−おとなしい,子どもっぽい,かわいがられるタイプ
>固執型−ものごとにこだわるタイプ。(気にいれば)単調な仕事にあきない
興奮衝動型−かんしゃくをおこす。落ち着きが無い。
>支離滅裂型−行動に一貫性が無くいきあたりばったり。
夢遊型−動作がのろい。周囲の出来事に無関心である。

パーソナリティ特性
昔は,知的障害児(当時精神薄弱児)には次のような性格や
行動の特徴がみられると言われていた(中司,1988) 。
(1)性格特徴の一般的傾向
人を避けるようにしている
いつもぽかんとしている
>人のいうなりになりやすい
>周囲の出来事に無関心である
動作がにぶくのろい

多くの調査や研究をまとめると,知能障害児・者にしばしばみられる
性格行動特徴として次のような傾向があげられていた。

>受動性:自分から進んでものごとをやろうとしないで,人の指示に従うことが多い
不安傾向:恐れや心配を持ちやすい
衝動性:興奮しやすい。すぐにかっとなる
>硬さ:融通がきかない
>固執性:しつこくてこだわる
>被暗示性:いいなりになりやすい
>忍耐力の欠如:我慢強さに欠ける
未熟さ:幼稚な行動がみられる。甘える,注意を引こうとする,すぐに泣く,などを示す
逃避傾向:自分の世界に閉じこもる
フラストレーショントレランスの低さ:不満を抑えてがまんすることができにくい
>自己概念の非現実性:自己の能力を正しく評価することができない

思考について
 思考過程を見る研究法の一つに分類課題がある。似たものをまとめる
操作をする課題であるが、分類課題においては,
  1)非本質的部分の共通性にもとづく分類が多い。

例えば、(色が同じであるとか同じひらかなから始まるからといって)『ながぐつ』と『なす』をいっしょにする。
>2)分類は正しくできても,その理由を正しく説明することができない。

>こうした研究から,知能障害児・者の思考について,『抽象や般化の能力に
>おいて未発達であり,応用ができにくい』といわれている。

そのほか判断や推理といった思考のほかの種類でも知能障害児・者の発達が
遅れていることが明らかにされている。
http://www.ipc.hokusei.ac.jp/~z00105/_kamoku/tokusi/L_amentia.htm