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アサヒビールは9日に東京都内で開いた2018年の事業方針説明会で、「スーパードライ」は9550万ケースの販売をめざすと発表した。17年の実績は9794万ケースと、発売3年目の1989年から続いてきた年1億ケース以上の販売が29年ぶりに途絶えた。将来のビール系飲料の税額統一を追い風にした新商品でてこ入れを急ぐ。

アルコール度数が高めのビール「グランマイルド」を4月17日に発売する。度数は一般のビールが5%前後なのに対し、7%。ビール系飲料の税額統一に合わせてビールの定義が見直され、4月から使用可能になる副原料を使い、高めの度数でもゆっくりと味わえるようにした。

スーパードライでは派生商品の「瞬冷辛口」を3月13日に発売する。冷涼感が味わえ、スーパードライの発売30周年を記念して17年に期間限定で発売した。ビール離れが指摘される20〜30代の獲得に成功したため、通年販売する。

グランマイルドと瞬冷辛口はいずれも価格はオープンだが、350ミリ缶の店頭想定価格で225円前後となる。

17年のビール系飲料の販売は酒類の安売り規制強化や天候不順が響き、1億5800万ケースと前年より2%減った。18年は1.3%減の1億5600万ケースの計画。発泡酒の「スタイルフリー」と第三のビールの「クリアアサヒ」でそれぞれ0.4%増をめざすが、スーパードライが2.5%減を見込み、全体では減少となる。