https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180110/k10011284391000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_029

1月10日 19時16分
国内最大手のガラスメーカー、「旭硝子」の子会社が、製品の試験管を一部の品質検査を実施したように偽って、およそ80の研究機関に出荷していたことがわかりました。

品質検査を行ったと偽って試験管を出荷していたのは、「旭硝子」の子会社で、静岡県に本社がある「AGCテクノグラス」です。

発表によりますと、「AGCテクノグラス」は、試験管を製造する際、実験を妨げるおそれのある成分が含まれていないかを調べる独自の規定に基づく検査をしていました。しかし3年前の平成27年2月以降一部の検査に必要な薬品が入手できなくなったにもかかわらず、検査を実施したように偽って、出荷を続けていたということです。

旭硝子によりますと、去年12月に子会社の社員からの指摘で問題が発覚し、検査を行ったと偽った製品は、およそ80の研究機関に出荷されたということです。

会社では、同じ時期に製造した試験管を別の方法で検査した結果、製品の品質や安全性に影響はないとしています。

これについて、AGCテクノグラスは、「ご迷惑をおかけして、深くおわび申し上げます。品質保証体制全般の見直しを進めていきます」とコメントしています。

今回の問題を、「AGCテクノグラス」は、去年12月27日に会社のホームページで公表した一方で、東京証券取引所の1部に上場する親会社の旭硝子は、投資家に迅速に情報を提供する適時開示などの対応はとりませんでした。

これについて旭硝子は「業績への影響は軽微なため、適時開示の必要はないと判断した」としています。