東日本大震災の直後にアメリカ軍が行った支援活動「トモダチ作戦」に参加して被ばくしたとして、空母の乗組員などが治療費に充てるため日本円で5500億円余りの基金を作るよう東京電力に求めていた訴訟で、アメリカの裁判所が訴えを退けたことがわかりました。

この訴訟では、アメリカ軍のトモダチ作戦に参加した当時の空母の乗組員など157人が福島第一原子力発電所の事故で被ばくしたとして去年8月、治療費に充てるため少なくとも50億ドル(5500億円余り)の基金を作ることなどを東京電力に求めていました。

東京電力の発表によりますと、カリフォルニア州南部地区の連邦裁判所は今月5日に、アメリカの裁判所は「審理する管轄と権限がない」として訴えを退けたということです。

ただ裁判所は併せて、原告が訴えの内容を変えて改めて提訴することは妨げないという判断を示したということです。

アメリカ軍のトモダチ作戦をめぐっては、今回の訴えとは別に6年前に同じような内容の別の訴訟が起こされていて審理が続いています。

東京電力は「原告の動向を見極めながら引き続き対応していきます」と話しています。

配信1月11日 20時07分
NHK NEWS WEB
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