【上海=河崎真澄】中国国営新華社通信は11日、カンボジアを訪問中の李克強首相が、「中国の国内総生産(GDP)成長率は2017年通年で6.9%前後になったもようだ」と発言したと報じた。中国国家統計局が18日にGDP統計を発表する予定だが、李氏はこれに先行して公表した形だ。発言が正しければ、成長の鈍化が続いていた中国のGDPは、7年ぶりに加速に転じたことになる。

 プノンペンで開かれているメコン川流域5カ国の首脳会議で明らかにした。

 李氏は会議の席上、「中国経済は過去1年間、安定の中で発展する態勢を継続している」と説明。「中国の発展は周辺国に経済成長をもたらす動力源と安定材になる」と強調し、新シルクロード経済圏構想「一帯一路」実施を念頭に、中国との関係強化を訴えた。

 中国の成長率は16年通年で6.7%、17年1〜9月は6.9%だった。公式発表以前に内部情報を基にGDP関連の数値を公表するのは異例。首相と国務院(政府)の専権事項だった経済政策をめぐって習近平国家主席が主導権を握り始めている中で、李氏が対外公開によって習氏を牽制(けんせい)した可能性がある。

産経ニュース
http://www.sankei.com/world/news/180111/wor1801110044-n1.html