>>864

http://sitereports.nabunken.go.jp/ja/4022
「日韓における穀物農耕の起源」 山梨県立博物館調査研究報告 399頁(416/421)

>(5)朝鮮半島における稲作の出現

 今回の一連の圧痕調査では、燕岐大平里遺跡B地区およびC地区、金泉松竹里の青銅器時代の土器からイ
ネの圧痕が検出された。朝鮮半島の当該期の稲作の開始に関しては、この時期を定点としてさらに古い時代
に遡及するかが今後の課題となろう。同時にアワ、キビなどの雑穀類がこの時期でも引き続き検出され、新
石器時代の早い段階から栽培が開始されたアワ・キビが、青銅器時代前期に稲作が導入された後も、重要な
食糧の構成要素としてイネとともに定着していることがうかがえる。イネ・アワ・キビがセットで検出され
ていることは、イネの水稲農耕と雑穀の畠作農耕が複合した当該期の農耕形態を裏付ける有力な手がかりと
なりうる。
 金炳燮は、青銅器時代の前期においてもアワ・キビなどの雑穀が主体的で、水稲作は一部の地域や集団に
よって選択的に受容されたという重要な指摘を行っている。両者の生業に占める位置づけは、今後の課題と
言える。
 いずれにせよ、紀元前1300 年頃の韓国では、すでにイネ、アワ、キビなどの農耕が成立していたことになる。
日本列島への波及、伝播は最新でデータでは、紀元前800 年以降の突帯文期とみられ、両地域の穀物栽培の
開始期に5百年ほどの時間的ギャップが認められる。縄文時代晩期の穀物伝播の存否が今後の課題となろう。



↑現時点では朝鮮半島と日本の稲作の開始に500年もの差があるの
これをまず認識しよう