次女(5)の腕をストーブに押しつけてやけどを負わせるなどしたとして、兵庫県警伊丹署は12日、同県伊丹市内に住む母親で無職の藤尾久美子(26)と祖母で派遣社員の亜希子(47)の両容疑者を傷害容疑で逮捕した。次女の腹と足などには打撲痕や擦り傷もあり、同署は日常的に虐待していたとみて捜査する。

 逮捕容疑は、亜希子容疑者は9日ごろ、次女の左の頬に包丁の刃を当てて擦り傷を負わせ、久美子容疑者は10日ごろ、次女の左腕をストーブに2度押しつけてやけどを負わせた、としている。両容疑者とも「食べ方を注意したが無視され、しつけようとした」「おもらしをしたので腹が立った」などと容疑を認めているという。

 同署などによると、11日午後7時ごろ、自宅近くのコンビニエンスストアを次女が一人で訪れ、ポイントカードと11円を持って揚げ物を買おうとした。寒い中、素足に靴を履き、足首が紫色になっていたため、女性従業員が110番し、駆けつけた署員が保護した。

 このコンビニ店によると、次女は久美子容疑者とよく買い物に訪れていたという。女性従業員は、1人で来店した次女の様子がおかしいことが気になりつつも、常連客の子どもなので通報をためらったが、上司から「おかしいと思うのなら」と促されて110番したという。

 久美子容疑者は昨年10月、神戸市兵庫区から長女(6)と次女、三女(4)と一緒に亜希子容疑者宅に転居し、久美子容疑者の弟2人を含む7人暮らし。

 次女が保護された際、久美子容疑者らは食事に出かけており、家には誰もいなかった。長女と三女にけがはなく、同署は転居後、しつけと称して次女だけが暴力を振るわれていたとみて詳しく調べる。