アニメ「ムーミン」(1969〜1972放送)を企画した瑞鷹エンタープライズの高橋茂人は、フィンランドがモデルと認識。

> ―――「ムーミン」のどんな点に魅力を?

> 高橋 最初に「ムーミン」の本を丸善(洋書店)で見て、絵がかわいいと思った。こわいけれ
どおも
> しろいものがある。これは世界に通用するものではないかと感じた。(中略) …映像化するために
> 原作者から映像化の著作権の取得が必要になった。

>
> ―――海外作品のアニメ化の著作権を買うというのは、このときが日本で最初の試みだったの
> ですね。

> 高橋 (中略) トーべ・ヤンソンに会うためストックホルムへ飛んだ…。
>
> ―――そして,お会いになったヤンソンさんの印象は?

> 上品なおばあさんといった感じ。(中略) また、日本の文化とフィンランドの文化とのちがいも感じ
> た。フィンランドは、ソ連にいつも国境を侵犯されていたから、ソ連国境に近い地域の各家庭に、
> 軽機関銃、小銃などがあり,国民皆兵のような国です。トーべ・ヤンソンの家はヘルシンキなので、
> 武器はありませんけどね。
> そしてこの国は妖精との結びつきが深い。コルバトントーリという場所に山があり、そこにサンタ
> クロースが住んでいると、1924年頃ラジオのディスクジョッキーで語られると、…サンタクロース
> 郵便局ができ、…後にトーべ・ヤンソンなど作家や画家のボランティアが加わり返事を送る様に
> なった。(中略) それをノルウェーやデンマークも後にまねるようになる。

>
> ―――ヤンソンさんの生いたちは?

> (中略) 「ムーミン」の物語の登場人物も、トーベのまわりの友人たちがモデルです。太ったおば
> さんなどが仲間にいる。トーベの父は彫刻家で、母はフレスコ画家という芸術家一家です。(中略)
>
> ―――フィンランドの妖精伝説にもとづいているのですか?

> 高橋 暗い所に住むトロールをひなたにもってきて、明るい平和な一家にしたのはヤンソンの
> オリジナルです。(中略)
小野耕世「高橋茂人、日本におけるテレビCMとTVアニメの草創期を語る(TCJからズイヨーへの歴史)」京都精華大学紀要26号、p. 190ff
ttp://www.kyoto-seika.ac.jp/researchlab/wp/wp-content/uploads/kiyo/pdf-data/no26/ono.pdf