世界最小のシカ「プーズー」の雌、死ぬ 埼玉県こども動物自然公園
2018.1.17 06:49
http://www.sankei.com/smp/life/news/180117/lif1801170013-s1.html

 世界最小のシカで、国内では埼玉県こども動物自然公園(東松山市)でしか飼育されていないプーズーの雌、ピナが16日朝、死んだ。平成28年7月に他のプーズー3頭と生息地の南米チリから来園し、昨年2月には雄のラピスを出産したばかり。まだ2歳と若く、今後も繁殖が期待されていた。

 同園によると、ピナは8日に食欲が低下したため、他のプーズーと隔離。治療を続けたが、次第に元気をなくしていった。16日午前8時半過ぎ、出勤した担当者が様子を見に行くと、ぐったりしており、まもなく獣医が死亡を確認した。
 死因は不明のため、検査機関に検体を送って特定し、今後のプーズーの飼育に生かす方針。
 同園によると、ピナはのんびり屋で、来園客にも人気。わずか1歳で迎えた昨年2月の出産も、生まれた子供に一瞬びっくりしたが、そっとにおいをかいだ後、近づいてくる子供に母乳を飲ませ、スムーズに子育てを始めたという。
 同園の田中理恵子園長は「若い動物だと自分の子供を認めず放棄するものもいる。ピナが子供を認めるかドキドキしながら見ていたが、においをかいでお母さんになるスイッチが入ったんだと思う」と振り返る。その上で「プーズーは野生状態では8〜10歳ごろまで生きる。ピナはまだまだ若く、非常に残念。ラピスを残し、本当に貢献してくれた」と話した。
 これで同園のプーズーは昨年生まれた2頭を含めて5頭になった。