少子高学歴化や安保法制=戦争法の強行の影響で自衛官の応募者数が減少傾向にある中、防衛省が「RO
TC(予備役将校訓練課程)」と呼ばれる米軍の制度を参考に、自衛隊入隊を前提にした奨学金などが目
玉の新たな募集制度を検討していることが、本紙が情報公開請求で入手した内部文書で判明しました。高
学費に苦しむ学生を狙い撃ちにした“経済的徴兵制”といえるものです。

 同省の「国防を担う優秀な人材を確保するための検討委員会」(委員長・防衛政務官)の内部文書(2
013年6月)は、「学生時代からの入隊希望者の取り込み」を図るため「新たな募集種目」をつくり、
「日本版ROTCの検討」を進めると明記しています。

 ROTCとは、米軍が国内の大学に設けた幹部養成制度。受講生は卒業まで学費や生活費の支給が保障
される一方、部隊訓練への参加や軍事に関する講義などを課せられ、卒業後は一定期間、軍勤務が義務づ
けられます。受講生の圧倒的多数は貧困層とされています。

 防衛省の制度案についての文書は大半が黒塗りですが、現行の「自衛隊貸費学生」制度を強化する方向
性を模索。「貸費学生」とは理系の大学生・大学院生を対象に月5万4000円を同省が貸与し、卒業後
に一定期間、自衛官として勤務すれば返還を免除する制度。安倍政権は「試行」的に同制度採用枠を拡大
する予算を15年度に計上しています。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-07-02/2016070201_03_1.html