アジア向け輸出が過去最大 貿易黒字17年2.9兆円
2018/1/24 10:35
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26067140U8A120C1MM0000/

 財務省が24日発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、2017年の輸出額は16年比で11.8%増え78兆2897億円だった。2年ぶりに増加した。中国を含むアジア向けにスマートフォン(スマホ)に使う液晶デバイスなどを製造する半導体製造装置が大きく伸びた。年間の輸出額は中国、中国を含むアジアともに過去最大だった。
 輸出額から輸入額を差し引いた17年の貿易収支は25.1%減の2兆9910億円。2年連続で黒字を確保したものの、黒字幅は縮小した。
 中国を含むアジア向け輸出は15.7%増の42兆9252億円、中国向けは20.5%増の14兆8914億円と、ともに2桁の伸びを確保した。けん引役は半導体製造装置で、アジア向けで3割超、中国向けで5割近く伸びた。高機能なスマホやあらゆるモノがネットにつながる「IoT」の普及に伴い、中国や韓国などで半導体の生産能力増強や高度化が進んだ。
 米国向け輸出は6.8%増の15兆1110億円で2年ぶりに増加した。大型の自動車の輸出が伸びた。欧州連合(EU)向けも自動車が伸びて8.5%増の8兆6572億円だった。
 17年の輸入額は全体で14%増の75兆2986億円となり3年ぶりに増加した。原油価格の上昇を背景に、原粗油の輸入額が29.3%増と4年ぶりに伸びた結果、輸入額を押し上げた。
 17年12月単月の輸出額は前年同月比9.3%増の7兆3021億円。日系のメーカーが現地生産を終了した影響で、オーストラリア向けの自動車輸出が増えた。輸入額は14.9%増の6兆9431億円。貿易収支は3590億円と7カ月連続の黒字だが、黒字額は43.5%減った。