【寝屋川監禁】「いまだ謎多き事件」捜査関係者も困惑
2018年1月24日 20時12分
http://news.livedoor.com/article/detail/14204651/

 「療養として愛里を部屋に入れ、生活させていた」
 大阪府寝屋川市の住宅のプレハブで柿元愛里さん(33)が監禁され凍死した事件は24日、保護責任者遺棄致死と監禁の罪で両親が起訴された。
 父親の柿元泰孝被告(55)と母の由加里被告(53)は愛里さんが小学6年のときに精神疾患を発症したと供述。次第に愛里さんが暴れたり叫んだりするようになったため部屋から出さないようにしたとする一方、「娘がかわいかった」「私たちなりに考えていた」と述べ、監禁を否定していた。
 だが客観的状況は療養とはほど遠い。隔離部屋の外に置かれたヒーターの温度は暖房の意味をなさない12度に固定。「『暑い』と言って服を脱ぐから」という理由で季節にかかわらず裸で過ごさせ、トイレ掃除は数週間に1回だった。食事も1日に1回で、死亡時の体重は、19キロしかなかった。
 捜査幹部は「愛里さんの存在が次第にうとましくなり、遠ざけるようになったのでは。行き着いた先がプレハブ小屋だ」と話す。
 愛里さんが統合失調症と診断されたのは16、17歳ごろだが、12歳ごろから次第に社会との関わりを絶たれたとみられ、捜査本部は両親による隔離行為がきっかけとなり、疾患を発症した可能性も否定できないとみている。
 一方、監禁の期間を特定するうえで大きな支えとなったのが、泰孝被告が残していた監視カメラの録画映像だ。学齢期ごろから最近まで、閉じ込められた愛里さんの様子が断続的にDVDに保存されていた。
 膨大な容量に及ぶ「隔離の記録」をなぜ手元に置いていたのか、その意図は不明だ。
 両被告とも最近は取り調べに応じなくなっており、捜査幹部は「謎多き事件。公判になっても実態の1割か2割くらいしか分からないのでは」と話した。