3歳長男虐待「5回保護」実らず 背景に“受け入れ余裕なし”
1/25(木) 19:10配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180125-00000065-mbsnews-l27

 また、大阪で子どもの虐待事件が起きました。当時3歳の長男に暴行しけがをさせたとして、33歳の父親が逮捕されました。長男は児童相談所に5回保護されながら、被害は防げませんでした。

 傷害の疑いで逮捕された大阪市淀川区の会社員・福屋秀利容疑者(33)は去年9月、自宅で当時3歳の長男に暴行し全治1週間のけがをさせた疑いがもたれ、容疑を否認しています。

 逮捕前のMBSの取材に対しても…

 (記者)「手をあげたりとか、蹴ったりとか?」
 (福屋容疑者)「してないです」

 ただ福屋容疑者、逮捕前の事情聴取に対しては「これまでに数十回殴ったことがある」と話したといいます。長男は去年6月ごろから顔などにあざが見られるようになり、児童相談所は、けがを理由に保護を5回繰り返していました。

 <去年12月>
 (福屋容疑者)「虐待してるかっていうことですよね?」
 (記者)「そうですね」
 (福屋容疑者)「してたら、今なんで、現状まだ家にいるんですか?」
 (記者)「今、お子さんは家に?」
 (福屋容疑者)「はい。(児童相談所からは)青タンができるたびに『なんでこういうことになっている?』と(聞かれた)」

 毎回、自宅に長男を返したことについて児童相談所は「親の説明などから虐待の確証が得られなかった」としていますが、この保護の仕組みに不備はないのでしょうか。

 一般的に保護が必要と判断された子どもは、児童相談所が運営する一時保護施設に入所します。しかし最近施設に空きがないことが多く、児童相談所は民間の児童養護施設に一時保護を打診します。ところが養護施設にも受け入れる余裕はなく、親元に返さざるを得ないケースが増えているといいます。

 「親が虐待するメカニズムが改善してないのに、表面的に『もうしません』『大丈夫です』という言葉で(子どもを)返す。ところが実際はそこで生活しだすと、また子どもとの関係がうまくいかなくなって」(NPO法人 児童虐待防止協会 津崎哲郎理事長)

 虐待の疑いがある家庭にどう介入するのかも難しい問題です。去年12月、4歳の筒井歩夢ちゃんが母親らの暴行で死亡した箕面市。行政が育児放棄の兆候に気付き、家庭訪問を検討していたさなかに事件は起きました。虐待問題を議論する市の会議には、25日から警察官がメンバーに加わりました。少しずつ、取り組みの形も変わっていきます。

 「すぐさま警察等に情報提供することができなかった、相談することもしなかったというのが反省点としてありますので、何かあった時にすぐに連絡態勢を取っていく」(箕面市子ども未来創造局 半沢芳寛副理事)