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2018年1月27日 14:20 発信地:ペルー
【1月27日 時事通信社】ロイター通信は26日、ペルーのクチンスキ大統領に近い筋の話として、フジモリ元大統領の恩赦をめぐり、クチンスキ氏とフジモリ氏の次男ケンジ国会議員が、恩赦の3カ月前から水面下で接触して裏取引をしていたと報じた。

 ロイターによると、昨年9月に大統領公邸で行われた式典の後に会談した際、ケンジ氏がクチンスキ氏に恩赦の見返りとして、2021年までの大統領任期全うに仲間と協力するなどと持ち掛けた。当時、クチンスキ氏は国会多数派のフジモリ派政党「フエルサ・ポプラル」に閣僚が次々と辞任に追い込まれるなど政権運営に苦慮していた。

 両者は水面下でやりとりを繰り返し、クチンスキ氏側に「ケンジ氏への信頼が生まれた」。交渉仲介者は6度にわたり、収監中のフジモリ氏にも接触して意向を確認し、恩赦後も双方は連絡を取っているという。

 実際、フジモリ派が主導する大統領罷免決議が昨年12月21日に国会で採決された際、ケンジ氏はフジモリ派内の仲間9人と共に土壇場で棄権に回り、クチンスキ氏は辛くも失職を免れた。

 それからわずか3日後に恩赦が発表され、両者の密約説が浮上。最新世論調査では、国民の78%が「密約があった」と回答している。

 クチンスキ、ケンジ両氏とも否定しているが、事実であればクチンスキ氏のさらなる支持率低下は必至。政権追い込みに奔走してきた長女ケイコ氏とケンジ氏の溝は決定的なものとなり、フジモリ派の分裂につながる可能性が高い。(c)時事通信社