総務省が29日発表した住民基本台帳に基づく2017年の人口移動報告によると、

千葉県の転入超過は前年比0.8%増の1万6203人となった。転入者が転出者を上回るのは5年連続。
再開発が進む県北西部で若いファミリー層の転入が続くほか、東京湾アクアライン周辺の人口も増加。
一方で県南部や外房地域は人口流出に歯止めがかからず、地域間格差は一段と広がった。

県内は東日本大震災による風評被害などで11、12年は人口流出が目立ったが、影響が一服した13年以降は転入の超過幅が年々拡大している。
17年は東京都に続き、都道府県で2番目に超過幅が大きかった。

市町村で超過幅が最も大きかったのは流山市の3909人。流山おおたかの森駅周辺をはじめ、つくばエクスプレス(TX)沿線で
大型マンションの開発が続き「20〜40歳代を中心に子育て世代の移住が目立つ」(市総合政策部)。

市は14〜18年度の5年間で保育所の定員を倍増するほか、21年春をメドに新たな小学校も開校し、子供の増加に対応する。

総務省がまとめた市町村別の超過幅ランキングによると、全国8位だった流山市のほか、
同じくTXの沿線地域を抱える柏市、東京への通勤・通学の便に優れた船橋市や市川市など7市が上位20位に入った。

全国13位の千葉市は転入の超過幅が2108人と前の年の2倍に広がった。
市役所や県庁、JR千葉駅を擁する中央区で大型マンションが相次ぎ完成し、転入者が増加。
緑区でも大型の宅地開発が進み、マイホーム族の転入が目立った。

東京湾アクアラインの千葉県側の出入り口となる木更津市、袖ケ浦市はいずれも大型商業施設や企業進出の増加で利便性が向上し、
県外からの転入が引き続き活発だ。2020年東京五輪でサーフィン競技が開かれる一宮町は町村部で超過幅が最も大きかった。
町の注目度が高まり「地元でサーフィンを楽しみつつ、都内へ通勤する人も増えているようだ」(町住民課)という。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26279420Z20C18A1L71000/