できあがった立体図は幅・奥行・高さがいずれも30センチ程度というサイズ感もさることながら、「脳神経の模型みたい」との声も出るユニークなルックスが特徴的だ。一体なぜ、ミニチュアの地下鉄を商品化しようと思ったのか。
同商品を構想し、開発に携わったバンダイのベンダー事業部、松原大典(まつばら・だいすけ)さんは29日、J-CASTニュースの取材に
「ふと、地下鉄の路線図を立体で見てみたい、そういう商品があったら買いたいなと思ったのがきっかけです」と話す。

「開発では何度もトライ&エラー」

   アイデア自体は10年前からあった。だが当時は食玩の担当部署におり、菓子売り場に路線図の模型というのは違和感があるとして企画が通らなかった。
その後、ガシャポンを担当する現在の部署に配属され、ここならと改めて提案すると商品化が実現した。

   また「正直、完成させるのは難しいとは思います」とこぼしつつ、

「組みやすいのは、地中深い方の路線から順番に設置していくことです。開発では何度もトライ&エラーを重ね、この順番が最も効率的という方法がウェブサイトに掲載したものです。可能な限り完成させやすいよう誠意を持って開発を続けました」
と明かす。
詳しい取扱い説明が書かれた公式サイトには、南北線から始まって最後の丸ノ内線まで組まれていく順番が写真付きで示されている。

   公式サイトに掲載の側面図をみると、有楽町線などは垂直に近い勾配の部分もあるが、正確に縮尺するとほとんど平べったくなってしまうため、高さはかなりデフォルメされているという。
一方で、上から見ると「ほぼ正確な路線図を描いています」とのことだった。

   気になるのが、商品名に「東京メトロ編」とあること。別のシリーズもあるのだろうか、松原さんは「できれば都営地下鉄も商品化したいと考えています」と明かした。
「商品の設計自体はできていて、今の東京メトロ編に組み入れることができる予定です。
都営大江戸線が入ると比べものにならないほど複雑になりますが、都営線が加わることで本当の意味での完成に至ります」とのことだが、商品化できるかどうかは、「東京メトロ編の売れ行き次第ですね」と話していた。