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2018.01.31 Wed posted at 10:49 JST
(CNN) 北朝鮮の金正男(キムジョンナム)氏を殺害したとして起訴された女2人の公判が30日、マレーシアの裁判所で開かれた。証言に立った捜査員は女のうちの1人について、事件の数週間前にスカウトされ、日本のお笑い番組だと信じていたと語った。

捜査員によると、インドネシア人のシティ・アイシャ被告は2017年1月、400マレーシアリンギット(約1万円)の報酬を受け取って、日本のユーチューブの番組のためにいたずらをしかけるよう持ちかけられた。

アイシャ被告は同年2月13日、クアラルンプール国際空港で金氏の顔面に神経ガスのVXをなすりつけた罪に問われている。同被告本人も、テレビ番組の演出だと思ってやったと主張していた。

マレーシア当局は、シティ・アイシャ被告とベトナム国籍のドアン・ティ・フォン被告(29)について、北朝鮮に訓練された工作員だったと見ている。 これに対して両被告とも一貫して、男性の顔になすりつけたのはベビーオイルだったと思ったと訴えてきた。

捜査員の証言によると、シティ・アイシャ被告はタクシー運転手に声をかけられ、日本で放映されるユーチューブのお笑い番組への出演を持ちかけられた。その日のうちに、クアラルンプール市内のショッピングモールで、「あの日本人」と呼ばれる男と会った。

しかしこの男は、実は北朝鮮人だったとされる。この男を含む3人は同年3月に、北朝鮮へ強制送還された。

両被告は有罪になれば、死刑を言い渡される公算が大きい。次回公判は2月8日に開かれる。

金正男氏を殺害したとして起訴された女が日本のお笑い番組だと信じていたと語った=Mohd Rasfan/AFP/Getty Images
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