◆【衝撃事件の核心】在日中国人の「半グレ」が暗躍…組織的な暴力行為、大阪府警「勢力拡大を警戒」

中国出身の会社経営者を拉致し現金を脅し取ったとして、在日中国人で構成するグループが、大阪府警に摘発された。
逮捕された主犯格の男は中国から帰化し、在日同胞のトラブル処理を生業(なりわい)にしていたという。
捜査関係者によると、グループは暴力団には属していないが、粗暴な行為を繰り返す、いわゆる「半グレ」とみられる。
こうした組織は他にも存在する可能性があり、捜査関係者は「在留外国人の経済活動の活発化に伴い、勢力がさらに拡大する恐れもある」と警戒を強める。

■高級車で急襲

「女性が車で拉致されたようだ」。目撃者の男性からの通報が事件の端緒となった。
一昨年の12月末の夕方、大阪市城東区の駐車場。貿易会社を営む中国籍の40代女性が車を止めて降りたところを、6人組の男が急襲した。
男らは乗ってきたトヨタ・クラウンの座席に女性を押し込め、さらにベンツ、BMWに分乗して走り去った。

男らは車内で女性の顔を殴ったうえ、「息子の命はないぞ」と脅迫。
市内のコンビニまで連れて行き、店内のATM(現金自動預払機)で現金10万円を引き出させたうえで、女性を解放した。
男らはさっそくこの金で飲食し、滞在先の宿泊費などで使い切ったという。

■トラブル処理屋

この事件で、ベンツに乗って犯行を主導したのが飲食店員の男(50)=逮捕監禁致傷罪などで起訴=だった。
捜査関係者によると、男は中国残留孤児の母親を持ち、平成19年に日本に帰化。
元妻が経営する市内の串揚げ店を拠点に、在日中国人の若者を率いて、同胞の金銭トラブルの解決などを請け負っていた。

今回の事件は、被害女性と金銭トラブルになった在日中国人の会社経営の男性が28年9月に「女性から約1400万円を取り返してほしい」と男に依頼したのが発端。
男は手付金など計約150万円で仕事に取りかかった。

男は、手下として使っている愛知県内の20〜23歳の中国籍の男6人に招集をかけた。
男らは大半が無職。主犯格の男は自らの過去の“武勇伝”を誇示し、服従を強いていたという。

依頼を受けた男は同年10月、手下に命じて女性宅の玄関扉に、ペンキで「金を返せ」と落書きさせた。
一方で自身は中国・上海まで行き、女性の両親に対して「金を払わなければ娘を廃人にしてやる」と脅したうえ、計約370万円を奪った。
男はこの現金を依頼者に一切渡さず、ベンツの購入費用に充てた。
そして女性拉致事件の際、この車で現場に乗り付けていた。

大阪府警国際捜査課によると、男のグループは今回の事件以外にも、中国人ホステスが勤務する大阪・ミナミのスナックで物を壊すなどしていた。
同課は昨年8月に女性拉致事件で男を逮捕、同12月までに手下の中国人ら6人も摘発した。

捜査幹部は「グループと暴力団の関係は判然としないが、組織的に暴力行為を繰り返していた。
在日中国人による半グレ集団とみられる」と語る。

■外国人半グレ多数存在?

「半分グレている」の略語で、暴力団組織に属さない不良集団の「半グレ」。
日本で外国人の経済活動が活発化する中、水面下で不良行為を重ねる中国人グループは他にもいるようだ。

たとえば、関東を拠点とする半グレ「怒羅権(ドラゴン)」。
元暴力団関係者は「怒羅権は中国残留孤児の2、3世らで組織され、似た境遇同士の強いつながりと、警察当局に反発する凶悪さで知られていた」と話す。

大阪府警の捜査関係者は「ミナミの飲食店を牛耳る不良集団もいると聞くが、実態はつかめていない。
同じようなグループの情報は多数あり、今回の事件は氷山の一角にすぎないだろう」とした。

解説図:http://www.sankei.com/images/news/180201/wst1802010002-p1.jpg

産経WEST 2018.2.1 06:00
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※続きます