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ある時、伊集院光と友人で、その友人がその珍しい牛乳キャップをどこで手に入れているのかを尾行して突き止める事にした。

そこはミルクスタンドだった。

伊集院光と友人は別のミルクスタンドを渡り歩き、色々な種類の牛乳キャップを拾い集める。

家に帰る道で友人の一人が「なんか臭くない?」とつぶやいた。
その、瞬間、僕らの中で大事なものが崩れてしまったように思う。みんな気づいてしまったのだ。
『牛乳キャップはゴミ』というごく当たり前ことに。僕は勇気を出して「もうやめようぜ、キャップ」といった。びっくりするほどあっさり二人とも「ウン」といった。

月曜日、伊集院光らは大量の牛乳キャップと引き換えに掃除当番やら仮面ライダーの人形やらシャープペンを取り戻した。

放課後、三人で帰りの通学路、遠藤君が「あいつ馬鹿だな」といった。近藤君は大笑いしたが、僕はあんまり笑わなかった。その後、牛乳キャップブームは急速にしぼんでいった。