https://courrier.jp/news/archives/58293/

ギリシア文化において男性器が大きいことは、「衝動を抑えることができない人物」の
象徴であった。一時の感情に身を任せるような性格は、若者が持ってはいけなかったので、
理想とされた人物像に大きな男性器はそぐわないとみなされていたのである。

後世の彫刻にまで影響を与えたこの因習の裏には、古代ギリシアの深いイデオロギーが
隠されているのだという。

ハーバード大学などで古代の同性愛を教えているアンドリュー・リア教授は、
米オンラインメディア「クオーツ」 でこう語っている。

「ギリシア人にとって、小さな男性器は、節度ある男らしさのシンボルであったのです。
英雄や神などの理想的な男性像の男性器と、野蛮で淫蕩なサテュロスの男性器とでは、
大きさの違いが歴然としています。
半人半獣のサテュロスだけではありません。老いぼれた男性たちの男性器も、
かなり大きく作られているのです」

大きな男性器によいイメージがなかったことは、紀元前5世紀に書かれたアリストパネスの
喜劇『雲』にも触れられている。賞賛に値しない人物の条件としてアリストパネスがあげたのが、
「青白い肌」「薄い胸板」「突き出た男性器」なのである。