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2018年2月4日 23:12 発信地:日本
【2月4日 時事通信社】米軍普天間飛行場の移設予定地の沖縄県名護市の市長選で、移設推進の自民、公明両党が推す新人・渡具知武豊氏が勝利したことに、米政府は表立った反応を控えている。ただ、名護市辺野古への移設を「唯一の解決策」とする立場から、移設実現に弾みがつくと歓迎しているとみられる。

 「米国はいかなる立場も取らず、いかなるコメントもない」。国務省の広報担当者は市長選の動向について、一切の論評を避けた。沖縄で相次いだ米軍機の事故やトラブルが選挙結果に影響しかねないとの見方もあっただけに、県民感情を刺激したくない思いがのぞく。

 投票直前の2日にトランプ大統領が安倍晋三首相との電話会談に応じたのも、米軍機の安全確保に真剣に取り組む意向を伝え、選挙戦への影響を回避するためだ。

 翁長雄志県知事や稲嶺進名護市長が移設阻止を掲げる中、日本政府は昨年、埋め立てに向けた護岸工事に着手。与党推薦の候補が勝利したことで、米国の識者の間では「辺野古阻止の運動はいずれ行き詰まる」という見方が出ている。

 ただ、伯仲した選挙結果が示すように、移設反対論は根強く、11月に予定される知事選で再選を目指す翁長氏が勝利すれば、反対派が再び勢いづく可能性もある。元国務省職員でジョンズ・ホプキンス大学のウィリアム・ブルックス非常勤教授は「反対運動にもかかわらず移設工事が進み、県民は欲求不満を抱えている。米軍機の事故がさらに続くようだと不満は沸点に達しかねない」と指摘している。(c)時事通信社