中国の史書を有難がる人が多いが「資治通鑑」という通史が出来たのは
日本の記紀より数百年後だ。史記や、ばらばらの王朝史を通年的に書き
直したものだが、かなりご都合主義的なものだ。文献資料として貴重なの
で、中国の古代史の一級資料になっている。それに比べると、記紀は
非常に文学的、神話的だが示唆に富んでいて、これと、唯物史観的な
現在の歴史学とは別物だが、補完関係にある。
歴史とは本来史料性のある物語であるが、どこやらの歴史のように政治
的に捏造したものは、史料的価値もない。