福知山線脱線事故の遺族らにJR西日本が説明会
2月11日 19時55分 NHKニュース
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107人が死亡した兵庫県尼崎市のJR福知山線の脱線事故から13年になるのを前に、JR西日本が遺族などを対象に説明会を開き、新幹線の台車に亀裂が見つかった問題について謝罪したうえで、改めて安全最優先の徹底を誓いました。

平成17年4月、兵庫県尼崎市で107人が死亡、562人がけがをしたJR福知山線の脱線事故を受け、JR西日本は、事故の日を前にしたこの時期に、遺族などに対し、安全への取り組みなどの説明会を開いています。

11日は兵庫県伊丹市で説明会が開かれ、参加した人によりますと、JR西日本の来島達夫社長が去年12月に新幹線の台車に亀裂が見つかった問題に触れ、社員の一部が異常を確認していたにもかかわらず運行を続けていたことなどについて謝罪したということです。

そのうえで、今後5年間で進める安全計画を説明し、改めて脱線事故の反省に立ち、安全最優先の判断や行動の徹底を誓ったということです。

説明会に参加した遺族などからは、これまでの取り組みへの疑問や、安全管理の徹底を求める声が相次いだということです。

■「悲惨な事故を起こさないで」

「負傷者と家族等の会」のメンバーで、次女が大けがをした兵庫県川西市の三井ハルコさん(62)は「脱線事故に巻き込まれた人の中には事故のショックや恐怖で電車に乗れなくなり、JRがその後、10年以上にわたって安全対策を進めてきたことで、やっと乗れるようになったという人もいますが、新幹線の問題が起きて信頼が再びゼロに戻ってしまったように感じています」と話しました。

新幹線の台車に亀裂が見つかった問題を受け、JR西日本が「安全を確認できない際には迷わず列車を止める」などとする安全対策の方針を示したことについては、「誰が判断をしてどのように連絡を取るのか明確にしないと、かえって混乱に陥る場合もあると思います。問題を発見した際にはすぐ上司に報告し、関係部署が連携できるような組織風土を築いてほしい」と話していました。

脱線した車両の1両目に乗っていて大けがをした兵庫県西宮市の木村仁美さん(34)は「新幹線の問題は組織の連絡体制が不十分だったことに大きな原因があり、JRに限らず、どの会社や組織にも起こりうる問題だと感じています。こうしたミスをゼロにすることは難しいかもしれませんが、きょう説明した安全計画をしっかりと進め、二度と悲惨な事故を起こさないでほしい」と話していました。

事故で次男が足の骨を折る大けがをした兵庫県伊丹市の西尾裕美さん(59)は「JRは脱線事故を起こしたことを反省していないと思います。反省していれば新幹線で起きたトラブルを防ぐことができたはずで、遺族やけがをした人の声をもっとくみ取って安全対策を進めてほしい」と話していました。