下町プロジェクトとジャマイカ連盟が契約を結んだのは、2016年夏。
「我々は下町の友人たちと、緊密に取り組んできた」とストークス会長は言う。
行き違いの始まりは昨年12月のワールドカップだという。輸送トラブルで下町のそりが届かず、ジャマイカチームは急きょラトビア製のそりに乗った。
「すると驚異的に成績が伸びた。五輪出場権獲得へ大事な時期だった」とストークス会長は話す。このそりに乗り続け、出場権を獲得した。

一方、下町のそりについて、ストークス会長は「遅い」「安全でない」「機体検査に不合格」の3点を強調。
「1月に行われた2度の機体検査に不合格だった。五輪でも失格の恐れがあった」と語る。

下町側は不合格を認めたうえで、「すぐに修正できる細かい違反だけ。
一時は合格も出た。五輪には間に合う」と反論した。だが、ジャマイカ連盟は実績のある海外メーカーを選んだ。

下町ボブスレーが改良されてきたのは間違いない。
「彼らは一生懸命取り組み、日本はそれを誇りに思うべきだ。ただ、ボブスレー作りは難しく、多くの国や企業も失敗してきた。
恥ずべきことではなく、勇気ある時間だった」とストークス会長は強調した。